ベルトの張力が一目で分かる
小型マイクでベルトの固有振動数を読み取り、瞬時にベルト張力を表示します。
まえがき
伝動ベルトが最高の性能を発揮するためには、適正な張力でベルトを張ることが肝要です。
伝動ベルトの張力管理にはぜひこの張力計をご使用ください。
●豊富な測定可能対象ベルト
タイミングベルト、平ベルト、Vベルト、Vリブドベルトなど、さまざまなベルトに対応できます。
●ベルトの振動周波数および、張力値を同時に表示可能
2行表示により、周波数と張力値を同一画面で確認ができます。
●広範囲な測定周波数領域
10.0~999[Hz](上位3桁)の広範囲な周波数領域を測定できます。
●独自の高速データ処理により測定時間が短い
高機能ワンチップマイコンの採用、独自のデータ処理により短時間で張力測定が可能です。
(最短0.5秒)
●メモリー機能搭載
10種類の張力測定条件データ、および89種類の単位質量データが記憶できます。
●オートパワーオフ機能を搭載
最終操作から5分経過すると自動的に電源が切れます。
これにより、電源スイッチの切り忘れ防止による電池の消耗を防ぎます。
●日本語/英語の切り替えが可能
電源オン時に「0」と「Enter」キーを同時に長押しすることにより、表示を日本語⇔英語に切り替えることができます。
■測定原理
ベルトを張った状態でドライバーの柄などで叩くと、一定の振動数で振動を始めやがて減衰します。
この現象はギターの弦と同じで、スパン長さは短かければ短いほど、張力は強ければ強いほど振動数は高くなります。
これは微分方程式で解け、その固有振動数は基本振動数の整数倍となります。
実際は速い振動はすぐに減衰し、基本振動数だけが残ります。
ドクターテンション®はこの原理を応用しています。
マイクロホンをセンサとして使用しているので、非接触で測定できます。
また、振動初期の不正な波を除き安定した振動数を表示するよう内部のマイコンが演算しています。
ただし、ベルトは、
①曲げ剛性をもっていること
②振動している長さがプーリとの接点間距離より少し短くなること
などにより上式からのずれが多少あります。
このずれはベルトの曲げ剛性が高いほど、またスパン長が短いほど大きくなります。
従って、正確な張力が必要なときは、あらかじめ実張力と振動数の関係を調べておくようお奨めします。
※右のグラフは一例を示したものです。
※計算張力:ドクターテンション®で測定した周波数を基に計算した張力実張力:ロードセルで測定した実際の張力
■測定方法
1.必ず駆動装置の電源(スイッチ)を切り、ベルトが静止していることを確認する。
2.本器の電源を入れ、マイクロホンセンサをセットし、必要な測定条件を入力する。
3.スパンの中央付近に、ベルトとマイクロホンセンサを対面方向に向けて約10mmの位置に固定する。 4.ベルトの表面をドライバーの柄などで軽く叩き、ベルトを振動させる。
5.1.~4.を複数回繰り返し、本器が読み取った値の平均を記録する。
■機能説明
小型マイクロホンセンサ
ベルトの固有振動数を測ります。
①フレキシブルアーム式
②コード式 ※オプションとなります。
|
①
② |
小型マイクロホンセンサ
ベルトの固有振動数を測ります。
①フレキシブルアーム式
②コード式 ※オプションとなります。 |
③ |
マイクロホンセンサ差込口
マイクロホンセンサのコネクタ部分に書かれている矢印面を手前にして、
矢印の方向にしっかりと奥まで差し込んでください。 |
④ |
電源スイッチ
電源のON、OFF、およびマイクロホンセンサの感度を設定します |
⑤ |
データキー
0~9、小数点で構成されます。
コマンドキーとの組み合わせで各種の設定を行います |
⑥ |
液晶表示ディスプレイ
コマンドキー、データキーによって設定したデータや測定データを表示します。
測 定データは、上段に固有振動数(Hz)、下段に張力(N)を表示します。
電源オン時に「0」と「Enter」 キーを同時に長押しすることにより、
表示を日本語⇔英語に切り替 えることができます。 |
⑦ |
コマンドキー
CLRキー、MEMキー、LOADキー、Enterキーで構成されます。
データキーとの組み合わせで各種設定を行います。 |
⑧ |
電池ボックス
付属の単3乾電池2本が入ります。 |
※その他付属品 ドクターテンション®タイプ-Ⅳ用ケース、単3形乾電池(2本)、取扱説明書、保証書
※オプション品 コード式マイクロホンセンサ
■オートパワーオフ機能
本器は節電のため、オートパワーオフ機能を内蔵しています。
最終操作から5分経過すると、自動的に電源が切れます。
オートパワーオフ機能からの復帰は、電源スイッチを一度OFFに戻した後、再度電源をON(LOW)、またはON(HIGH)の位置にすると通常通り動作します。
■使用ファイル
この張力計には測定する条件を登録することができます。
1.測定条件マスターファイル張力換算に必要な下記のデータを登録できます。
◆登録No.:1~10(10件)No毎に、スパン長、単位質量、ベルトの種類によって、ベルト幅やリブ数を登録します。
2.単位質量のマスターファイルベルトの単位質量を登録できます。
◆登録No.:11~99(89件)No毎に、単位質量を登録します。
■測定時の条件入力
下図レイアウトで入力データは以下の通りとなります。
■仕様
対象ベルト |
タイミングベルト、平ベルト、 Vベルト、Vリブドベルト |
測定周波数帯域 |
10.0~999[Hz] |
周波数測定精度 |
±1[Hz](100[Hz]未満)
±1%(100[Hz]以上) |
設定可能単位質量 |
0.0001~9.9999[kg/m] |
設定可能ベルト幅 |
1.0~999.9[mm] |
設定可能スパン長 |
1~9999[mm] |
設定可能リブ数 |
1~99 |
使用温湿度 |
-10℃~50℃ 80%以下
(ただし結露しないこと) |
保管温湿度 |
-20℃~70℃ 70%以下
(ただし結露しないこと) |
電源 |
単3形乾電池×2個 |
電池寿命 |
約30時間 |
最大外形寸法・重量 |
95×160×32mm・200g
(マイクロホンセンサ・電池含まず) |
付属品 |
取扱説明書………………… 1部
乾電池(単3形) …………… 2本
フレキシブルアーム式
マイクロホンセンサ ………… 1ケ |